逆子にお灸が効く？妊娠３６週目までに知っておきたい治療方法を解説

上記について私がこれまでに経験してきた知識や情報を基に、分かりやすく解説させて頂きます。

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・2021.10月、妊娠35週目の方が当院へ受診され逆子の灸を受け、翌週の検診(エコー)で逆子が戻りました
(逆子に戻ることなく無事に11月に自然分娩でご出産)
・2021.11月、妊娠32週目の方が当院へ受診され逆子の灸を受け、次の検診で逆子が戻りました

逆子にお灸が効く？妊娠３６週目までに知っておきたい治療方法を解説

逆子でお悩みの方はおおよそ３６週目までに戻らなければ帝王切開で出産となる事が多いため限られた期間内にどうにか逆子が戻って欲しいと焦る気持ちでいっぱいですよね？

でもご安心ください。逆子はお灸治療をする事によって高い確率(100%ではありませんが…)で戻る事が証明されております。

まず始めに逆子の際にどの部分にお灸をすれば良いかをお伝えし、その後注意点やお灸治療を受けるタイミング、頻度、自宅でできるケア等をご紹介させて頂きます。

逆子の灸で使用するツボ

逆子の灸といったら必ず用いられるのが至陰しいんと呼ばれる足の小指にあるツボで、場所は足の爪の角から0.3㎝(１分)外側にあります(爪の根本側の角)

もう一つは、婦人科疾患といえば必ずといって良い程、用いられるツボである三陰交さんいんこうで、内くるぶし(最も出っ張った所)から上に指４本分(３寸)上がった所の骨際の部分で押すと鈍痛のする場所にあります。

他にもお身体の状況によって別のツボを使用する事もありますが、この２つのツボだけ覚えて頂ければ間違いありません。

逆子のお灸は自宅でも出来ます

逆子にお灸が効く事は知っているが、やり方が分からない・治療院に通うのが大変等と思っていらっしゃる方もご安心下さい。市販されているお灸でも十分効果が期待できますので是非ご自宅で挑戦してみて下さい。

上記でもお伝えした至陰と三陰交の場所にお灸を置き火を付けます(ライターで直接点火しても良いですが、太めの折れないお線香を使用する等して火傷には十分ご注意下さい)

お灸の先に火を点けると艾もぐさが燃え始めますが直ぐに熱くなるのではなく点火してから２分後くらいからジリジリと刺激を感じ始め２０～３０秒程ピークの熱が続きそのまま熱さが和らいできます(この時点で人によっては胎動を感じ始める方もいらっしゃいます)

逆子のお灸の回数は一度に何回くらい？

逆子のお灸治療がご自宅でも行える事はお分かり頂けたと思いますが、実際にどのくらい行えば良いかといいますと、一度に据える回数に決まりはありませんが刺激(熱さ)を感じれば良いので一回で十分な時もありますが足が冷えている場合は刺激を感じにくいため続けて据えますが、最大でも５回までとしましょう。

逆子のお灸は熱くないの？火傷しない？

逆子治療にはお灸が有効ですが、そもそも鍼灸治療のご経験がない方からすれば全く分からないですよね？
そもそも市販されているお灸は間接灸といってお灸を直接肌に付けるのではなく、台座を介しての施灸となりますので一般の方でも火傷の心配が大幅に減ります。温度は強・中・弱等と表記されており各メーカーにより多少異なりますが、オススメの買い方としては熱さの違う２種類を買い、先に温度の低いモノから使用しあまり熱さを感じないようであれば１つ上の熱さのモノを使用すると良いと思います。

個人差やお灸を据える部位・発汗等の違いで水疱(水ぶくれ)になってしまう事もありますので一回一回お肌の状態を確認しながら行ってください。

私がオススメする商品をご紹介致します。この商品もライトとレギュラーがありますのでライトから試しましょう(ハードもありますがおそらく上記二つで十分だと思います)

逆子の灸治療についてもう少し知ろう

逆子のお灸治療のツボの場所や点火の仕方、回数等をご説明してきましたが妊娠何週目から何週目までが適応されるのか・注意点はあるのか？等詳しくご説明させて頂きます。

逆子の灸は本当に効果あるの？

逆子を治す(戻す)方法といえば逆子体操が有名ですが、逆子体操よりも昔から逆子にはお灸が効くと云われてきました。上記でも全日本鍼灸学会がまとめた逆子治療の研究データを載せましたが、１９８０年代に産婦人科医の林田和郎先生が５８４例の逆子に対し鍼灸治療を行った結果、８９．８％という高確率で逆子が戻ったという研究結果を発表されております。

逆子のお灸は妊娠何週目から行うの？

逆子のお灸が９０％の確率で戻るというのは驚きですが、あくまでも適切なタイミングで治療を行った際の結果だと思います。
適切なタイミングは妊娠２８週目以降３６週未満といわれており３６週目の時点で戻っていない場合は帝王切開となる事がほとんどです。

また胎児の成長や羊水の量等の状況から考えても２８週目の時点で逆子と分かった場合はなるべく早い時期にお灸をする事が望ましく、３４週目付近から確率が顕著に下がるため２８週目～３２週目あたりであれば十分期待できるといえるでしょう。もちろん３６週ギリギリで戻る方もいらっしゃいますので最後まで諦めずに挑戦しましょう。

逆子となってしまう原因はあるの？

逆子になってしまう原因は明確には分かっていないそうですが、母体側の原因としては子宮の形態以上や胎盤の位置(前置胎盤等)の異常や胎児側の原因は羊水過多や双子等と考えられていますが、他にも母体の冷えやストレスも原因があるのではないかといわれています。

原因を知ったところで対策が取れないものを悩んでいても仕方ないのでできる事を心掛けるだけで十分です。

冷えは多くの女性にとって悩みの種になっていることが多いでしょうが、妊婦さんにとっても同様です。冬の寒い時期も注意が必要ですが、夏でもエアコン等の冷気がお腹や足に直接当たらないように気を付け、なるべく靴下を履く事や腹巻をする様にしましょう。

ストレスは精神的にも肉体的にも胎児に良くありません。近年働く女性が増え、労働環境も見直しがされ始め、人によっては臨月ギリギリまで働く方もいらっしゃいますが、可能であればなるべく無理をせずご自身の体調とお腹の赤ちゃんの状態をみていつまで働くか等を決めましょう。

逆子のお灸を行う際の注意点

逆子にお灸が効果的という事は上記でもお伝えしましたが、必ず担当医(産婦人科医)の先生にお灸を行って良いか確認しましょう。
逆子の中でも臍帯(へその緒)が首に巻き付いていたり、足に引っかかっていて足を伸ばした時に首が閉まってしまう可能性も考えられますので自己判断で行わず、必ず医師に聞いてから行いましょう。

逆子のお灸は鍼灸院へ通った方がいいの？

お灸と聞くと鍼灸院の先生に治療してもらうイメージがあると思いますが、近年では個人でも家庭用の艾もぐさを買う事もできるため必ず受診しなければ受けられないという事ではありませんが、鍼灸院では直接灸といい台座がなくツボに直接お灸を据える方法で行う場合が多くこちらの方が適切な熱刺激を与えられる事や、ツボの位置を的確に分かる鍼灸師に頼んだ方が戻る確率も高くなるかもしれませんので信頼のおける治療院等があれば迷わず相談してみると良いでしょう。

ただ昨今はコロナウィルス感染のリスクもありますので心配であれば通院回数を減らし、なるべくご自宅でのセルフケアでも良いと思います。

逆子にお灸が効く？妊娠３６週目までに知っておきたい治療方法を解説まとめ

ここまで逆子にはお灸が効果的というお話をさせて頂きましたので簡単にまとめたいと思います。

逆子にお灸治療はかなり効果的だと思いますし、私の治療院にもこれまで逆子で悩まれて来院された方が、逆子が戻り喜んで下さった事も多々ありますが１００％ではありません。

いろいろと挑戦してみても逆子が戻らずショックを受ける方もいらっしゃいますが、３６週目が近づいてきたら帝王切開でも良いと覚悟を決めて出産に臨まれる事も大切だと思います。精神的なストレスは胎教にも良くありませんし、これからお腹から出ようと不安なのは赤ちゃんも同じだと思いますので、ドンと構えて赤ちゃんが安心してお腹から出てこれる様にしてあげて下さい。

過去にも帝王切開の日が近づき、覚悟を決めた後に逆子が戻った。という話も聞いたことがあります。
是非逆子でお悩みの方はお灸治療をお試しください。

最後までお読み頂きありがとうございました。