イタタタタタ…
はりねずみ君、辛そうな顔してどうしたの?
最近テニスを始めたんだけど肘の外側が痛くって……ペットボトルの開閉や雑巾絞る時も痛いんだ…
それってたぶんテニス肘だよ
テニス肘?聞いたことあるけど詳しくは知らないから詳しく教えて
今回は肘の外側の痛みについて詳しく解説し、オススメのサポーターやストレッチ方法等をご説明致します。
- テニスを始めたら肘が痛くなった人
- デスクワークでタイピングやマウスのクリックで肘が痛い人
- ペットボトルの開閉やドアノブを捻る時に肘が痛い人
- 握り拳をする様に力を入れると肘が痛い人
- 仕事で指や手首をよく使い力を入れると肘が痛い人
鍼灸師・柔道整復師として13年の下積み(鍼灸接骨院や整形外科)を経て2016年に独立開業し、現在鍼灸接骨院を経営。 これまでに得た経験や培ってきた事を多くの方に知って頂き少しでもお役に立てて頂ければ。という事で副業ブロガーデビュー
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上記について私がこれまでに経験してきた知識や情報を基に、分かりやすく解説させて頂きますが結論だけ知りたい方やお時間の無い方は目次から必要な箇所にジャンプしてご覧下さい。
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肘が痛い(外側)時はサポーターやストレッチが効果的
肘が痛い(外側)とテニス経験のある方はテニス肘を連想すると思いますが、テニス肘はテニスに限った事ではなく誰にでも起こります。ではなぜテニス肘という名称があるのかというと、テニス(特に初心者)をしている人に多くみられる痛みで分かりやすい名称だからです。
このテニス肘の様な肘の外側が痛くなる症状の正式病名は『外側上顆炎』といい、手首や指(特に2・3指)を動かすと肘の外側付近に痛みを感じ、炎症が強い急性期には安静時痛(じっとしていても痛い)が出現します。
詳しくは後述させて頂きますので、まず始めにオススメのサポーターをご紹介させて頂きます。
肘が痛い(外側)時のサポーター
肘が痛い(外側)のは外側上顆炎の可能性が最も高いため、外側上顆炎(テニス肘)専用のサポーターをご紹介致します。ご自身の痛みが外側上顆炎に該当するか詳しく知りたい方は後述する徒手検査や症状等の解説をご覧下さい。
類似商品が数多くある中でコストパフォーマンスが高く最適な商品は上記だと思います。
外側上顆炎専用のサポーターは肘に巻くというより肘関節から指2~3本分下の位置に付ける事がポイントです
肘が痛い(外側):外側上顆炎について詳しく解説
肘の外側の痛みは外側上顆炎の可能性が高いとお伝えしましたが、ここからは外側上顆炎について詳しくご説明させて頂きます。
肘関節は上腕骨と2本の前腕骨(橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ))で構成されますが、この上腕骨の外側の骨の出っ張り部分を外側上顆、内側部分を内側上顆と呼びます。
この外側上顆部には筋肉が付着しており、その筋肉を使いすぎる事によって筋肉と骨との間で摩擦が生じ炎症が起きる事から外側上顆炎といいます。
この外側上顆には7つの筋肉が付着していますが、その中でも特に外側上顆炎の原因となる筋肉は長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)と短橈側手根伸筋(たん〃)です。
この2つの筋肉は外側上顆から第2中手骨底・第3中手骨底という手の甲付近の骨まで伸びており、手首の伸展という運動を担っています。
手首の伸展とは、バイクを運転する時にアクセルを開ける動作やテニスのバックハンドの様に手首を起こす動きの事
肘が痛い(外側):レントゲンは必要?
肘の外側の痛みに関係なく、身体(運動器疾患)に痛みが生じた場合、まずレントゲンを撮った方が良いのか?と迷われる方もいらっしゃいますが、この外側上顆炎に関しては基本必要ありません。レントゲンで映し出されるのは骨だけで筋肉は写りませんから撮ったところで筋肉の炎症を評価する事は出来ません。
しかし、外側上顆炎が長期間に亘り続いた場合は外側上顆部の骨が筋肉に引っ張られて変形し、骨棘(こつきょく)といって骨のトゲが形成されるので骨の変形度合いが分かります。
ですから長期間、肘の痛みに悩まされている方はどの程度、変形が進行しているのかを確認したい方は一度検査してもらうといいでしょう。
また肘の痛みが外傷(ぶつけた・転倒した)が発端の方は外側上顆炎ではなく、骨折等の別のケガの可能性がありますので、そのような方は受けましょう。
なるほど…徐々に痛くなってきた場合は外側上顆炎で転んで手を着いたり、ぶつけた場合は骨折を疑えって事だね
肘が痛い(外側):手術は必要?
肘の外側の痛みに関わらず整形外科的疾患の場合、症状が酷い状態であれば手術も治療手段の一つだと思いますが外側上顆炎の場合は基本的には手術は必要ないと思います。
近年では同様の症状で整形外科に受診された場合は、湿布や痛み止めの処方をされるか患部にステロイド注射を打ち炎症を抑える治療法が一般的です。
しかし、それでも痛みが緩和せず日常生活に大きな支障がある場合は骨棘(変形し尖った骨)を削る等の手術を選択される事もありますが、私がこれまでに同症状で手術を過去に行った方にお話を聞く範囲では劇的な効果を感じた方は少ないようです。
ですから下記でご説明するケア方法を行って頂く事で痛みをとりましょう。
肘が痛い(外側):どこで判断するの?
肘の外側の痛みは外側上顆炎である可能性が高いという事はお分かり頂けたと思いますが、実際にどこで判断するかというと徒手検査や圧痛部位、痛みの訴え方等で判断します。
ここでは代表的な徒手検査法をご紹介致しますので、下記の検査を行い1つでも陽性となれば外側上顆炎を疑い、全て陽性であれば外側上顆炎と判断して間違いないでしょう
圧痛(押して痛む所)は外側上顆部やそこから5~6㎝下の筋肉に沿って出る事が多いんだよ
徒手検査とは整形外科的検査法(世界共通の手法)で疾患を特定するために、患部を動かしたり伸ばしたり抵抗運動を行う等、ストレスを加えた際に痛みが生じるかを検査し他の疾患と鑑別する検査の事です
トムセンテスト(Thomsen-test)
- 肘が痛い方の手で握り拳を作るように拳を「グー」にする
- その拳を伸展方向に持ち上げる
- 拳を上から覆うように掴み、抵抗を加える
- 抵抗を加えた時に、肘の外側部分に痛みが生じれば陽性
中指伸展テスト(middle-finger-extention-test)
- 患肢の手を「パー」のように開く
- 指全体が反るように力を入れる
- 中指を上から曲げる様に抵抗を加える
- 抵抗を加えた時に、肘の外側部分に痛みが生じれば陽性
(同様の動作を示指(人差し指)でも行う)
チェアーテスト(chair-test)
- 肘を伸ばしたままイス(それ以外の物でも可)を掴む
- そのまま肘を伸ばしたままイスを持ち上げる
- 持ち上げた時に、肘の外側部分に痛みが生じれば陽性
どの検査も筋肉に力を入れてストレスを加えてるんだね
肘が痛い(外側):どんな人がなりやすい?
外側上顆炎は老若男女問わず誰でもなりますが、指先や手首を頻繁に使う作業を強いられる人に起こり易く主婦層(特に40~60歳代前後)や建築業等の職人さんに多く発症します。
筋力の弱い女性と力仕事をする職人さんに多いんだよ
ちなみに、テニス肘と呼ばれるくらいなのでテニスをしている人がほとんどなるかというと、実はそうでもありません。テニス初心者はフォアハンドで打つ事が難しくバックハンドで打つ回数が必然的に増えてしまう事が要因の一つだといわれております。
肘が痛い(外側):ストレッチ等ケア方法について
肘の外側の痛み(外側上顆炎)以外にでも共通しますが、痛みが強い時は身体の中で炎症が起きている状態ですので安静時痛や患部に熱感があるような場合は、まず安静と冷却(アイシング)をしましょう。
初期の強い痛みが軽減し炎症症状が治まってきたら血液循環の促進・筋肉の柔軟性向上を目的に温熱療法やストレッチ・筋力エクササイズを開始しましょう。
蚊に刺された時の症状が炎症症状なんだよ
炎症の5徴=発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害の5つを炎症の5大徴候という
- 発赤:毛細血管が拡張し血流量が増加するため赤くなる
- 熱感:毛細血管が拡張し血流量が増加するため産熱
- 腫脹:拡張した毛細血管から血液成分の滲出が起こり組織が腫れる
- 疼痛:腫れると組織の内圧が上昇し圧迫され、疼痛性起炎物質が痛みの受容体を刺激する
- 機能障害:腫脹や疼痛が原因で患部が機能できなくなる
肘が痛い(外側):アイシング
肘の痛みが強く動かさなくても痛い・じっとしていても痛い等の安静時痛がある場合、まずはアイシングをします。
冷シップを貼るのは鎮痛効果は期待できますが、冷却効果はあまり期待できませんので氷嚢を作ってアイシングを行いましょう。
- ビニール袋に氷と少量の水を入れる
(氷のみや保冷剤を使用すると皮膚に氷が当たる面と当たらない面が生じ、凍傷のリスクが高くなるため必ず氷水に) - 患部(痛い所)に1枚タオルをかける
- タオルの上から氷嚢を患部に当てる
- 2~3分すると冷たさがピークを迎え、その後は冷たさを感じにくくなる
- 時間は15分を最長として数時間後にまだ痛みが強ければ再度アイシング
肘が痛い(外側):ストレッチ方法
炎症症状が治まり、痛みが落ち着いてきたら筋肉の柔軟性を高めるためにストレッチを行いましょう。ストレッチの方法は、目的とする筋肉の起始と停止の位置を遠ざける事で筋肉が伸長されます。
外側上顆炎の場合は、長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋が原因と考えられているため同筋肉をストレッチさせます。
- 肘を伸ばした状態で手首を下に向けて小指側に曲げる
- 反対の手で下から覆うように手を掴み動かないようにロック
- 肘の内側(肘窩)が外に向くように捻る(この時、手が動かないように反対の手でしっかりとロック)
- この状態を30秒キープ
ストレッチは1回30秒/3セットを1日に4~5回行うといいよ
肘が痛い(外側):筋力エクササイズ
肘の外側の痛みが軽減し、落ち着いてきたらストレッチで柔軟性を高める事も重要ですが、筋力エクササイズを行い痛みの再発予防を心掛けましょう。
筋トレをするタイミングは炎症期が過ぎて安静時痛が治まり、日常生活上でも痛みを感じる事が減ってきた頃から始めます。
- 肘を伸ばし手の平を下に向け1~2kg程の重りを持つ
- 手首を伸展方向に持ち上げる
- 急いで上に上げるのではなくゆっくりと上げ下げする
- 1回/10回×3セット(ゆっくり上げ下げがポイント)
肘が痛い(外側):円皮鍼も効果的
肘の外側の痛みに限らず、円皮鍼(えんぴしん)はご自身でも簡単に貼れて除痛効果が期待できる優れものアイテムです。
ここでは円皮鍼については省略しますが、貼る場所は痛みが出現している部位や筋肉に沿って貼って頂ければ良いでしょう。
肘が痛い(外側)時はサポーターやストレッチが効果的。まとめ
肘の痛み(外側)は外側上顆炎(テニス肘)の可能性が高く、急性期は安静・アイシングを行う事で痛みをコントロールし、炎症症状が治まってきたら、痛みの軽減や再発予防を目標にストレッチや筋力エクササイズを行い、筋肉の柔軟性向上・筋力強化を図る。
- 肘の外側付近から前腕にかけて痛みが出現し、手首や指の動きで痛みが増強
- 仕事や家事・スポーツ等、手を酷使する人になり易いため老若男女問わず起きるが、40~60歳代の女性(筋力の弱さが原因)が比較的多い
- 原因となる筋肉は長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋(特に短〃)
- 痛みの軽減には、サポーターや円皮鍼も有効なためオススメ
- ストレッチや筋トレは再発予防の観点からも必須
以上が外側上顆炎の解説及びケア方法になります。テニスを始めて肘が痛くなった人も、日常の作業で痛みに悩まされている人も是非一度、上記の方法をお試しください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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